最近、行動量がすっごい増えた。
書く文章量が増えたり、こまごまとした作業をこなしたり、アイディアを練ったり、誰かと一緒に企画を進めたり、なんだか色々なことを同時に進められるようになっている。
本来、自分はいろんなことをいっぺんに進行させるのは苦手な方なので、この変化には戸惑いすら感じる。
何が良かったんだろう?
- 行動のログを残すようになったから?
- 積極的に仲間をつくりはじめたから?
- 行動をレシピ化するようになったから?
色々思いあたるふしはあるけれど、その中で今回は、「行動のレシピ」について紹介してみようと思う。
行動レシピとは何か。何がすごいのか
「行動のレシピ」は、元々は心理学ジャーナリストである佐々木正悟さんが使っておられた用語。
佐々木正悟さんの本
料理のレシピには材料と手順が細かく記載されている。
それと同じように、行動のレシピとは、通勤、洗濯、勉強など、あらゆる行動の手順を細かく文章化したもののこと。
行動のレシピを見れば、次回もまた、同じ順序で同じ行動を繰り返すことができるようになる。
同じ順序を繰り返すことで、空手の型やダンスの振り付けを覚えるように、その手順に習熟することができる。
更に、ひとつひとつのレシピの手順を組み替えたり、無駄を排除したりして、より効率的な動きにブラッシュアップしていくこともできる。
- ひとつひとつの行動が、より素早く、より上手にできるようになる。
- ひとつひとつの行動に対して、必要なエネルギーと時間がぐっと少なくなる。
- 一日の限られた時間、エネルギーの中で実行できる行動の量がぐっと増える。
※ちなみに今回の記事で紹介する「行動のレシピ」は、佐々木さんのお話に感動した僕が独自の解釈でつくった自己流のものなので、佐々木さんご自身が用いておられるそれとは異なるということをご承知ください。
実践編
さっそく、レシピの作り方を具体的に「洗濯の手順」を例にしてご紹介。
洗濯をするときのレシピ
行動レシピは、「やろうと思ったときに、いかに素早く取り出せるか」がもっとも、最も重要なポイント。いつでも手元で、すばやく簡単に取り出せる必要がある。
自分の場合はiPhoneとMacを使っているので、これらを例にした具体的な準備方法をご紹介する。
androidやwindowsでも、似たようなアプリを使って応用してみていただきたい。
使うアプリ
使うのは標準の「メモ」アプリ。これをiCloudでMacとiOSを同期させる。
タイトルを工夫する
レシピのタイトルは、冒頭をアルファベットで入力して検索しやすくする。
iPhoneの場合
画面を下にスワイプすると検索画面が出てくる。
そこにレシピ冒頭のアルファベットを入力すると、メモがヒットする
こんな感じで、すばやく検索→表示が可能。
PCの場合
alfredのような「ショートカットキーで検索窓をだせるアプリ」を導入。
コントロールキーを二回おして検索窓を開き、
レシピの名前で検索するとメモがすぐ開ける。マウス不要。
Macアプリ「Alfred」
Alfred – Running with Crayons Ltd
価格: 無料(記事公開時)
販売元: Running with Crayons Ltd
カテゴリ: 仕事効率化
© 2012 Running with Crayons Ltd
レシピのつくりかた
1.実際に身体を動かしながら、ひとつひとつの作業を言葉でメモしていく。
2.忘れがちな細かいチェックポイントをレシピに書き込んでいく。
- ポケットの中を確認せず洗濯してしまうことがあったので、その手順を書き込んだ。
- 水は温かい方が洗浄力が高いらしいので、お湯を使って洗濯している。給湯温度を上げて、戻すことを忘れて台所で火傷することが多かったので、それもレシピに書き加えた。
3.順番を変える
- 一通りの作業が出そろうと、順番を入れ替えた方が効率が良いな、ってところが見えてくる。
- 例えば洗濯の途中で音楽が聴きたくなり、作業を中断してスマホを探し始めることがしょっちゅうあったので、スマホの用意は、最初の方に持ってきた。
- 洗濯機を回し始めてから、別の部屋に放置されていた洗濯物を発見することがよくあったので、先にすべての部屋を巡回することにした。
使い方
- さて洗濯しなきゃと思ったら、すぐにスマホなりPCなりでレシピを開く。
- 一行目から淡々と実行していく。全体を見渡さない。
- 以上!
継続して習慣化していくためのポイント
一行目のハードルが高いと続かない
例えば「運動する」というレシピの一行目が「外に出る」だと続かない。
「服を脱ぐ」など、途中で気が変わっても良いからとりあえずこの一行目に書いてあることは実行しようと思えるくらい簡単なものにする。
やらなきゃ…と考えた瞬間、レシピを開く訓練をする。
あれこれ作業内容を想像して「めんどくさいなぁ…」と感じる前にレシピを開けるようにする。
洗濯しなきゃ、と思った瞬間に、一行目にかかれている行動を思い出し、実行できるようになればもうレシピすら不要。
飽きたら途中でやめてもいい。
レシピをつくると、中断するのがうまくなる。
リストのおかげで作業進捗が明確なので、いつでも簡単に作業が再開できる。
だけど、レシピ通りに行動していると、むしろ途中でやめる方が難しいということがわかるはず。
目の前に次の作業が書いてある=次に何をすべきか完全にわかっているときというのは、むしろ「わかっていてやらない」方が大変なんです。
自分がいちばん「めんどくさい」と感じる行動からレシピ化する。
まずは、自分がいちばんめんどくさいと感じる作業からレシピ化していくことで、その効果を体感できるとおもう。
始めるまでが腰が重いけど、いちど始めてしまうと結構そのままやっちゃう、という人にこそおすすめだ。
F太
心地のいい思考の流れをデザインしたい。
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