「ちょっと疲れたな…少し休むか。お茶でもくんでこよ」
「よし。キリもいいし、そろそろ休憩するか」
「煮詰まっちゃったな…少し散歩でもしてくるか」
疲れたときに、そのままなんとなく休憩をとってはいないだろうか。
疲れたからなんとなく、スマホをいじったり、ブラウジング、ネットサーフィン、facebookやtwitter、instagramやLINEをだらだら見はじめたりしていないだろうか。
もちろん、休憩は脳を回復させるためにはとても重要だ。
しかし、疲れたときにただなんとなく休憩をとるのは、実は、けっこうもったいないことをしているということにお気づきだろうか。
疲れた瞬間にすぐ休憩してはいけない。
→自分の意志力を鍛えるチャンスを逃してしまっている。
キリのいいところで休憩してはいけない。
→休憩後に、もっとスムーズに作業を再開する方法がある。
煮詰まったところで休憩してはいけない。
→ほんの少しの工夫で、休憩中の脳の創造性を劇的に向上させる方法がある。
今回は、休憩する前にほんの少し追加するだけで、日頃の生産性が劇的に向上するトピックをご紹介する。
※この記事は、意識変容、行動改善を主たる目的とした文書構成になっております。
この記事の表現等に反発を感じられる方は、残念ですが時間をかけてお読みになっても効果は得られないと思われますので、ご自身の感性に合った語り口で書かれた、他の著者様の記事をお読みになることをお勧めいたします。
STEP1 「疲れた」と感じた瞬間を、「チャンスだ」と思えるようになる
それではまずはじめに、あなたには「疲れた」と感じた瞬間に、苦しみではなく、快感を感じられるようになってもらおう。
「疲れた」その先に、快感があると知る。
ダイエットや筋トレは、苦しい。でも、多くの人が、高いお金を払ってまでジムに通い、その苦しい思いをしようとする。
なぜだろうか。
その苦しみの先に、望むものがあるからだ。痩せた自分、鍛えられた身体、という報酬が待っているからだ。
疲れた瞬間に、さらにもうひとふんばり、作業を続けようとするのは、当然苦しい。
しかし、苦しみの先にどういう報酬が待っているのか、ということが分かっていれば、その苦しみを成長の快感に変えることができるのだ。
疲れた瞬間の「もうひとふんばり」は、ワーキングメモリを鍛え、意志力を強くする
ワーキングメモリとは「作業記憶」とも呼ばれる、脳の機能のひとつ。
ここでは簡単に、「頭の中にある色々な考えを整理する機能」というふうにイメージしてほしい。
この機能は、「心をひとつのことに集中させる能力」に関係していると言われている。
頭の中に様々に巡ってくる色々な考えを上手に整理して、今必要なことにだけ集中するために、ワーキングメモリが働いている。
心を集中させることができれば、雑念に惑わされず、やろうと思ったことをやることができる。
このワーキングメモリを鍛えることは、強い意志の力を鍛えるということでもある。
そして、このワーキングメモリは、「高負荷な運動(例えば筋トレ)」によって鍛えられると言われている。
筋肉を鍛えるためには、「疲れてきた瞬間のもう一押し」が重要だ。
そしておなじことが、集中力についても言える。
まさに集中力が落ちてきた時こそ、脳に疲れがたまってきたという証拠。
ここで「いや、もう少し頑張ろう」と決意を下すのは、脳に負荷を与えることになるから、それが意志の力を鍛えることになるのだ。
意志の力が鍛えられれば、早起きをしたり、好きな人、尊敬する人に自分から話しかけたり、新しい習慣を続けたりといったことができるようになってくる。
早起きは大事!とか、好きな人に勇気を持って告白しよう!とか、良い習慣を身につけよう!といったアドバイスはいくらでもあるが、そんなことよりも重要なのは、どうすれば早起きしたり勇気をだして告白したり良い習慣を身につけられるのか、ということだ。
意志の力を鍛えることで、良い習慣をつくり、勇気のある決断がとれるようになる。
STEP2「疲れた」と感じる4つのケースについて、効果的な対処方法を理解する
あなたが「疲れた」と感じる瞬間には、それはあるパターンに従っている。
その代表的なものが以下の4パターンだ。
- 作業がちょうど、キリのいいところまできたタイミング
- アイディアが浮かばず、作業が進まなくなったタイミング
- やり方がわからなくなり、次に何をすればいいかわからなくなったタイミング
- 間違いに気づき、やり直しをしなくてはいけないと判明したタイミング
いくつか心当たりがあるのではないだろうか。
ここですぐに休憩に入らず、ほんのすこし、作業を進めるだけで、「休憩後」の能率が劇的に向上するのだ。
それでは、それぞれのパターン別に、「疲れた」と感じた瞬間、どんなふうに考え、どんな作業をすればいいのかを解説しよう。
× 切りがいいからちょっと休憩しよう
◯ 次の作業をほんの少しだけやってから休憩しよう
人間の脳は、中途半端な状態を嫌う。
全10巻の漫画本で、4巻だけ買わない、ということに耐えられない。
ジグソーパズルの1ピースだけ足りない、ということに我慢ができない。
ドラマはいつも中途半端なところで終わるから、次も見たくなる。
作業を途中で終わらせるとむずむずする。終わらせたい、という欲求が生まれるからだ。
この欲求をうまく活用するのだ。
次の作業に少しだけ手をつけてから休憩をすると、この「ドラマの次回予告」効果が得られ、休憩後の作業開始がスムーズになる。
× アイデアが出ない。リフレッシュしよう
◯ あと少し、文章の出だしだけでも考えよう。見出しだけでも考えてから散歩でもしよう
文章を書いていたが煮詰まったので、散歩にでかけたらいい表現が思い浮かんだ。
夜中まで必死に考えたが答えが出ず、そのまま寝てしまい、朝起きたらふっと答えが浮かんできた。
シャワーを浴びていたら面白いアイデアを思いついた。
そんなエピソードを、どこかで聞いたり、あるいは自分で体験したことはないだろうか。
脳は、休んでいるときにこそ創造性を発揮する。
集中している時には動かない脳の部位というのがあって、それが休憩していると動き出す。
この「脳のアイデア検索エンジン」を効果的に使う方法がある。休む前に、「検索キーワード」を入力しておくのだ。
たとえば企画書を書かなくてはいけないのだけど文章が浮かばない。そういうときは、せめて見出しだけでも考えておく。
この見出しが検索ワードだ。キーワードを投げ込んだ状態で休憩に入ると、脳はバックグラウンドで休憩中も働き、その見出しに続く文章を自動的に考えてくれる。
次に作業に戻った時には、すんなりと文章を書きはじめられる。少なくとも、見出しから考え始めるよりはずっとスムーズなはずだ。
× やり方が分からなくなった。疲れた…
◯ ひとまず解決方法を確認しておこう。どこを調べればいいだろうか。誰に聞けばいいだろうか。
想像してほしい。
早く終わらせたい作業なのに、どうやって進めたらいいかわからない。
休憩後は、どうやって進めたらいいのかを調べる方法を調べることから始めないといけない。荷が重過ぎないだろうか。
よし、休憩したら誰々さんに聞こう。休憩したらあの辺の資料をもっかい漁ってみよう。というように、問題解決方法にだいたいのあたりをつけてから休憩に入れば、作業の見通しが立たなくても次の手のイメージがわくので、その後の作業再開時の精神的なハードルはぐっと低くなる。
×間違いに気づいてしまった、やりなおしだ…
◯「仕方がない、少しでも直しておこう。」
ここで休憩してしまうと、休憩後は間違いの修正、つまりマイナスからのスタートということになり、これはかなり気の重い作業となる。
そこで、脳を勘違いさせてやるのが良い。
すこしでもやり直し作業に手をつけてから休憩すれば、脳にとっては「中断している作業の再開」だから、最初に説明したような「ドラマの次回予告」効果を得られる。
マイナスからのスタートか、中断した作業の再開か。この印象の違いは、脳にとっては凄まじい違いだ。
最後に
今回はよくある4つの事例を紹介したが、他にも自分が「疲れた」と思う瞬間はどういうタイミングなのかを観察して、それらを理解し、それぞれのパターンに対して効果的な対処方法を用意しておくことで、休憩の効果を最大化し、日々の作業効率は劇的に向上するはずだ。
更にそういった対策をとるたびに、あなたの意志力は強化されていく。
そういったイメージをもっていれば、いつもの疲労が、ちょっとした充実感に変わるはずである。
F太
心地のいい思考の流れをデザインしたい。
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